2020年10月24日(土)・25日(日)

トレーニングの詳細

解離性障害の治療法・USPTの研修会のご案内です。USPTトレーナー(USPT研究会理事長)の新谷宏伸先生を愛媛にお招きし、四国初の『USPT研究会公認 USPTベーシック実践トレーニング』を開催します。

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講師

新谷宏伸先生(USPTトレーナー、USPT研究会理事長、本庄児玉病院 外来医長、精神科医師)

研修内容

[一、 講義と小冊子] 本研修用のオリジナルテキスト(小冊子 50ページ程度)を配布し、講義1〜4を行います。
 講義1・解離/トラウマの基礎知識
 講義2・解離外来の流れ
 講義3・USPT治療の手順
 講義4・USPTスクリプトの解説

[二、 デモ] クライエント役を募って、新谷がデモンストレーションを行います。

[三、 実臨床の映像] ビデオ視聴で学ぶ、外来でのUSPT統合治療。USPTの実臨床場面の動画を視聴します。少なくとも、DID(解離性同一性障害)1例、OSDD(DSM-5に収載されている『他の特定される解離性障害』の略称です。ICD-11では『部分的解離性同一性症』と呼ばれる疾患です)1例。

[四、 ベーシック認定] USPTベーシックレベル修了に必要な数の、ペアでの実技演習を行います。後日レポートを提出後、認定となります。レポートの書き方は、当日説明します。

対象者

医師、公認心理師、臨床心理士(その他の方は応相談)。

定員

20名程度

日時

2020年 10月 24日(土) 9:30〜16:30(9:15 受付開始)
2020年 10月 25日(日) 9:30〜16:30(9:05 会場)
※2日間のトレーニングになります
※両日とも、60分程度の昼休みをもうけます
※両日とも、終了時間は15分程度延長する可能性があります

会場

愛媛県松山市(伊予鉄の某駅から徒歩圏内)
 ※お申込みいただいた方に、メールにて会場をお知らせいたします

参加費

27,000円(2日間・税込み)
 ※お申込みいただいた方に、メールにて振込方法をお知らせいたします

USPTとは

USPTは、小栗康平医師らが考案した解離性障害の治療法です。人格統合手技がシンプルにパッケージ化されています。

具体的な手順(概略)は、1.解離してしまって、いわば冷凍保存状態だった外傷担当パーツ(外傷記憶+感情+感覚+信念+行動のかたまり)自体を内的リソースと捉え、2.タッピングにより解凍し、3.外傷担当パーツの年齢・感情・簡単な状況(・名前)を聴取し、4.辛さをこれまで引き受けてきてくれたことに感謝を伝え、5.背部刺激により生活担当パーツと融合する、6「1〜5」を、パーツの数だけ繰り返す…という、いたってシンプルなセラピーです。

外傷の直面化を最小限にとどめるため、迅速にトラウマ処理を進めることができる可能性が高く、また、治療参加の能動感、融合と年代記作成による統合的統一感をクライエントが得やすいといった特徴があります。

※ USPT=タッピングによる潜在意識下人格の統合法(Unification of Subconscious Personalities by Tapping Therapy)。

講師よりひとこと

みなさま、今回講師を担当いたします、新谷宏伸です。2016年より埼玉県の本庄児玉病院で本格的に解離の外来臨床を開始し、これまでに解離性同一性障害の患者40名、解離性障害全体では100名ほど患者の治療にあたってきました。

そもそも、どうして解離性障害の治療法、USPTを修得することが必要なのでしょう。

…歩くことのできない赤ん坊は、『戦う fight』ことも『逃げる flight』こともできません。そんな中、『凍りつく freeze (=解離する)』ことは、唯一赤ん坊にも備わっている生き残り戦略です。言語獲得以前の、いちばん原始的な防衛機制であるだけに、解離は『言葉だけ(顕在意識だけ)を使った心理療法』では改善しづらいという側面があります。

その『freeze』によって生じた解離性障害には、DIDのほか、OSDDがあります。OSDDは、いわゆる第二次構造的解離であり(これらの診断や、van der Hartの構造的解離理論についても、当日の講義で触れます。このあたりはとっつきづらいので、分かりやすく!)、例えば『freeze』によって冷凍保存されたトラウマが身体症状的にフラッシュバックすることによって呼吸苦(パニック発作)が出現したり、解離によってエネルギー効率が悪くなるために心が疲弊してうつになったりします。それらが、パニック症やうつ病と診断されると、当然おおもとには解離があるために通常の治療では軽快せず、難治例とみなされてしまいます。

シンプルに構造化されたUSPTを修得することによって、このような難治例とされている疾患に対する皆さんの治療の引き出しが1つ増えることでしょう。

この2日間のトレーニングは、募集人数を少数(20数名)に設定しました。テキスト・スライドで学ぶ、動画・デモを見て感覚的な理解を深める、実技演習で実際にやってみる、質疑応答…をバランスよく高密度で行うことによって、実臨床で使えるレベルでUSPTを身につけてもらうことを目的としています。

これはつまり、人格統合技法のみの習得でなく、この技法を、幅広いクライエントに受けていただく同意を得るまでにどうアプローチするか、効果的な枠組みをどのようにクライエントに提示するか…という部分にも焦点を当てて講義を行うということです。皆さまのご参加を、お待ちしています。

USPTトレーニング2018 参加者のご感想

 職業:心療内科医師

 参加されたトレーニング:USPT研究会公認 ベーシック実践トレーニング2018京都

<解離性障害の新しい治療法USPTの講習を受けて思ったこと>

ふだんの自分の臨床では明らかな解離症状を持つ患者さんは少数なので、自分の臨床全体に与える影響はそこまで大きくないのでは、と事前には思っていました。

治療場面の複数のビデオを見せてもらい、解離性障害に対する有効で確立された治療法がほとんどない中で、これはものすごく大きな可能性を持った治療法だと改めて感じたのですが、それに加えてこれはもっと普遍的な領域でも適応できる可能性を持った方法ではないかと思えてきました。

「あの時の辛かった気持ちや体験の意味がまだ自分の中で整理・消化できていない」というエピソードの1つや2つ、いや10や20は誰でも持っていることと思います。

解離性障害と診断がつくほどではないにしても、思い出すと嫌な気持ちになるので記憶の隅に追いやっていたり、反対に思いがけない時に辛い気持ちがあふれてきたり、という経験は誰しもあることでしょう。

実際、講習会の参加者と言う比較的健康度の高い集団で実習をして、全員が意味のある体験ができたということも、この方法の適用可能性の広さを示していると思います。

では、何らかの症状や悩みを抱えて病院や相談機関を訪れる人の場合はどうかと考えてみると、「過去の辛かった体験の意味が消化できず、その時の感情や思考が不適切なタイミングで再生されてしまう」と言う枠組みで理解可能なケースはものすごく多いように思います。

つまり、その場の状況にそぐわない不適切な感情や思考(不安、緊張、怒り、抑うつ、自責など)に支配されて困っている場合は、この方法の適用可能性があるのではないかと言うことです。

講座を受ける前から思っていて、今回改めて思ったのが、この方法はやはり実際の治療手続きに入る前の導入・土台作りこそが難しくて大切、と言うこと。いったん治療の枠組みに入ってしまえば、その後の展開は実にあっけないと感じるほどで、この方法の持つ力に驚いています。

(引用はここまで。※ あくまでも、個人の体験であり感想です)

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